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HOME=遺族が翻弄される遺言書=遺言書の筆跡が被相続人と違う
原則として、遺言書は生涯に一度しか書くことはありません。
遺言書が相続争いのもとにならないためにも、遺言書がもつ役割や機能を十分果たせるように注意して作成することが必要です。
そのためには、遺言書がどんなトラブルを招くのか、それを知ることが大切です。 |
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遺言書で不利な取り扱いをされた相続人にとっては、遺言書の存在自体が不満になります。
その結果、被相続人の筆跡と違うのではないかと疑ってくることもあります。
このようなケースは良くあることですが、遺言書の筆跡が被相続人の筆跡と異なるかということは、一般的に考えるほど簡単にわかることではないのです。
比較する被相続人の筆跡が豊富にあるような場合では、比較的容易に判断できるかもしれませんが、そのような存在がない場合には簡単に結論を出すことはできないのです。
それは以下のような理由があるからです。
@被相続人の筆跡を明らかにする書類が少ない。
遺言書の文字を全部拾うとなると、それなりに被相続人の筆跡であることが明らかな書類が、ある程度なければ難しいことになります。
A遺言書作成当時の書類が少ない。
筆跡は年齢とともに変化していくと考えられます。
筆跡を比較する時は遺言書を書いた当時の文字が一番適しているのですが、その書類が少ない時はむずかしくなります。
B時期が一致しても書くときの状況によって文字は異なる。
文字を書くときは、その時の状況により文字は微妙に変化するものです。
緊張してる時は、力が入ったりして微妙に変わってくるので判断が難しくなります。
このように、遺言書の筆跡が被相続人の筆跡であることを立証することは大変難しいものなのです。
現実に筆跡鑑定に出したとしても、一方では筆跡が同じという結論がでて、もう一方では筆跡が異なるという結論がでるときもあります。
参照
・民法・第5編 相続
・日本公証人連合会
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